5c/6c (IL) クラスのホームページ
担当: 地引/TA: 増井
<< 情報リテラシで学ぶこと >>
現在では、小学校〜高校の各段階で、
Windows を搭載したパーソナル コンピュータ
(PC) による情報教育が行なわれるようになりました。
また、スマート フォンに代表される高機能携帯端末の普及により、
アプリケーションと呼ばれるソフトウェアや、
これらを介したネットワーク サービスから、片時も離れられない状況が生じています。
その結果、大学のような高等教育機関で学ぶ学生の間でも、
情報・通信というテーマを学ぶ姿勢として、例えば
"検索の上位にランクされた
適当なアプリケーションをプチッとダウンロードし、
その操作方法さえ覚えておけばよい"
という安易な風潮が強く広まっています。
しかし、(皆さんも薄々気付いているでしょうが) ここには大きな陥穽が存在します。
皆さんの多くは、
「世の中で必要とされる要望には、それに対応したアプリケーションが存在しているし、
このようなアプリケーションは、基本的にアイコン (ボタン) をタッチ/クリックするだけで簡単にインストールされ、必要な処理をしてくれる」と認識していることでしょう。
しかしながら、学生の皆さんには、是非ここで立ち止まってよく考えて欲しいのです。
研究という、真理を追究し、
自らの意思による創造的な活動において、
出自の不明な既製のアプリケーションを使うということ、
あるいはタッチ/クリックだけで何でもできるということは、何を意味しているのかを
(大学では、先人達が成し得た知識の習得だけではなく、
まだ解のない新しい問題に対する自分自身の/皆さん一人一人の取り組み方を確立することがテーマになります)。
例えば、タッチ/クリックだけということは、技術的には自動化が行なわれているとみなすことができます。
さて、ここで皆さんに一つ質問です。
自動化とはいったい何であるか、
そしてそれを実現するにはどうすればよいかを考えてみて下さい。
日本が世界に誇る自動車は、100% 自動化されたシステムでしょうか。
あるいは、表面上は何の変化も見えないのに、
その裏では人知れず自分の情報が飛び交っているなんて、薄気味悪くありませんか。
情報環境は完成された技術分野ではなく、
今後も次々と姿を変えながら進化していく分野であると言えます。
コンピュータ/ネットワーク技術の進展に伴い、
これまでは解決の非常に難しかった技術的問題も解決できるようになりました
(例えば、構造解析シミュレーション技術の進展は建築工学の発展へ大きく寄与したと言えます)。
未踏の難問に対して情報環境の観点から新しいアプローチをするには、
情報環境の仕組みを理解し、それを応用できる必要があります。
その力がない限り、 所詮は他人の用意したメニューをなぞるだけのニ番煎じと言われても仕方がないでしょう。
同時に、この分野の難しいところは、ウィルスや情報漏洩、
情報環境を介した攻撃 (例えば、DoS 攻撃やなりすまし) といった外部の脅威から身を守りながら理解を深めて行かなければならない点にあります。
便利さの追求には、自動化の盲点を突いた危険が常に伴います。
情報リテラシでは、
情報倫理/情報環境の利用方法や仕組み (動作原理) などを中心に、
以下の各テーマについて講義を行なう予定です。
学生の皆さんには、
メニューのどのボタンを押せばよいかではなく、
情報環境を学ぶ意義を理解した上で、それを使いこなすスキルを学んでもらいたいと
考えます。
- ・ 繋がり方のサイエンス (World Wide Web)
- - ネットワークを介した情報の繋がりや情報構造の電子的な定義
- ・ オンライン上の認証とデータ管理 (E-mail/ファイル システム)
- - 普遍的な情報交換を実現する通信環境の構築および情報の整理
- ・ データ サイエンス
- - 情報通信技術によるデータ解析を通じた新たな発見
- ・ 自動/手動の境界 (電子的な文書処理)
- - マークアップ系文書処理システム(LATEX)を用いた文書の組版
- ・ プレゼンテーション
- - 情報通信技術を用いた表現/伝達
- ・ ネットワーク コミュニケーション
- - ネットワークを介したコミュニケーション方式の進化とセキュリティ マナー
- ・ セキュリティ
- - 情報通信環境を守る法/セキュリティ技術
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